
『You Must Believe In Spring』 Bill Evans
今まで紹介していないのが不思議なくらいだが、ジャズピアノと
言えば、何と言ってもビル・エヴァンス
ビル・エヴァンスを聞かずしてジャズピアノを語ることなかれ。
ビル・エヴァンスは生涯で100枚ほどのアルバムを残している
らしいが、その中でも、最高傑作と呼ばれているのが、スコット・
ラファロという若いベーシストが参加したリバーサイド4部作と
言われる作品群で、当時、エヴァンスは30代前半、ラファロは
20代前半という若さだった。
個人的な趣味で言うと、この中でも特に『ワルツ・フォー・デビー』
は一度聴いたら、その魅力から逃れることができないほどの
素晴らしい演奏である
ラファロの革新的なアプローチはジャズベースに新しい境地を
開いたが、たった6年のキャリアの後に、交通事故であっさりと
この世を去ってしまった
ビル・エヴァンスはラファロの夭折後、多くのベーシストを
迎えて演奏活動を続けたが、ラファロに匹敵する才能を備えた
ベーシストには一生で会えなかったと言われている。
・・・と、ここまで話してきて、今日ご紹介するのは、ラファロ
ではなく、ビル・エヴァンスがエディ・ゴメスというベーシスト
と組んで発表した『You must believe in spring』という作品
である。ビル・エヴァンスがどのように思っていたかは分から
ないが、偉大な天才の後を受けてエヴァンスに迎えられ、
プレッシャーを感じながらもこのような作品を残すことに貢献
したゴメスも歴史に名を刻む素晴らしいベーシストだと思う。
エディ・ゴメスは後にチック・コリアなどに多くのジャズ
ミュージシャンに影響を与えたが、スコット・ラファロとは
異なる堅実なベースラインでエヴァンスの内省的で繊細な
ピアノを支えていたと言える。
このアルバムはエヴァンスにとって私的に不幸が重なっていた
時期の作品だが、このピアノの美しさは筆舌に尽くしがたい
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